アメリカの大学に通っていた際、経営学やマーケティングの講義で頻繁にP&Gという社名が出てきたのが興味を持ったきっかけでした。
ビジネススクールに行かずとも実践からビジネスについて多くのことを学ぶことができ、また人を大切にする人材育成企業として聞いていたので、自分が成長できる環境に魅力を感じました。実際に採用試験が進む過程で、グローバルな環境で一年目から大きな裁量権を持つことができると知り、自らのオーナーシップや周りを巻き込むリーダーシップを養いながら、自己成長ができると思ったことが入社したきっかけです。
様々な職種がある中でコミュニケーションズを選んだ理由は、もともと人とのコミュニケーションが好きだったこともありますが、“P&Gの顔”として対外的に様々なステークホルダーとの関係性を構築し、企業・ブランドの “信頼”を高め、さらにその価値を消費者へ届けるという仕事に魅力を感じました。
メディアの方だけではなく、社外の様々な方々とも接点を持つこともでき、オピニオンリーダーなど各業界のプロフェッショナルの方々から新しい知見を得ることができるため、学びの機会に溢れている点もコミュニケーションズを選ぶ決め手になりました。
入社後に感じたギャップ
良い意味での違いがありました。想像以上に裁量権があり、自分の能力やスキルよりも高いレベルの仕事を早い段階で任されることにも驚きましたが、それを乗り越えてきた先輩社員や同僚の能力も想像をはるかに上回っていました。
ウィスパーを担当していた時、それまで生理用品ブランドであったウィスパーを新たに吸水ケアブランドとして発売するプロジェクトがありました。新ブランドの立上げという責任が重大なプロジェクトの中で、PR担当は私だけ。それまでの生理用品ブランドとはお客様が異なるため、お客様のお困りごとを理解するために消費者テストに同行し、そこで得たインサイトやトレンド、そのほかの要素をもとにチームで様々な議論をしながら、新ブランドのPRストーリーを作っていきました。
他にも、メディア向けの新ブランド発表会の企画・運営や発売後の記事掲載獲得なども担当し、代理店と協働してメディアの方々に働きかけながら、新ブランドの立上げをゼロから主体となり進めることができました。当時は、その裁量権の大きさに驚きましたが、やりがいの大きな仕事をすることができ、非常に充実していました。
また、同プロジェクトはアメリカのチームとも連携しながら進めていたので、市場背景や消費者のニーズが異なるからこそ、日本市場の状況や日本のお客様がどのようなことを求めているかなどを丁寧にコミュニケーションし、そのうえで提案や交渉、説得をし、日本チームがPRでやり遂げたいことを実行できるように進めていきました。
この経験を経て、グローバルとのコミュニケーションスキルを身に着けることができ、自己成長ができたと実感しました。
特に成長を実感したプロジェクト
入社2年目の時期に食器用洗剤「JOY」が数十年ぶりにリニューアルして、新製品を発売するPRイベントのプロジェクトリーダーを任されました。
国内はもちろん海外のビジネスチームや代理店の方々と連携し、PR戦略の策定や実行を進める中で、テレビや新聞、雑誌の記者の方々だけではなく、セレブリティの方々を含め100名以上のステークホルダーとやり取りをしました。それぞれビジネスやエンターテインメント、ライフスタイルなど、カテゴリーが異なる方々だったため、多方面に渡るコミュニケーションに奔走しました。
結果として多くの報道に繋がり、当時のP&Gジャパンのホームケア史上最も多くのメディア露出を獲得することができました。その裏側では社内からでてくる様々な意見の調整をはじめ、代理店と協働し、世間の関心と私たちが発信したいメッセージをうまく合わせながら、最終的なメッセージを決めるなど、より効果的なPRになるよう全体を取りまとめることに苦労しました。
それでも、裁量権とリーダーシップを持ってプロジェクトを最後までリードし、かつ期待された以上の成果を残すことができたので、自己成長を実現するだけでなく、社内からの信頼獲得やビジネス成長にも貢献することができ、とても大きな経験になりました。
もうひとつは、ビジネス成長だけではなく、社会貢献にもつながるプロジェクトをリードしたことです。
乳児用紙おむつ「パンパース」を担当していた際、「あなたらしい子育てが、いちばん。」という多様な育児を応援するプロジェクトの導入イベントを任されました。単に製品の良さや性能を発信するだけではない新たな試みで、育児の難しさを感じているすべてのママやパパに少しでも寄り添い、一律ではない多様な子育てや家族のありかたを認め合える未来を目指したプロジェクトでした。
プロジェクトは、組織体制や文化などの異なる行政やプロジェクトのパートナー企業の方々と連携しながら進めていたので、外部との協働においてもコミュニケーションスキルやリーダーシップなどP&Gで大切とされている能力が重要だと学びました。結果的にプロジェクトを通じて、ブランドイメージの向上つながったと共に地域社会にも貢献することができ、貴重な経験をすることができました。
P&Gで働くことの魅力
一番は社員の成長を支援してくれる環境がある事だと思います。責任を伴う重要な仕事を、入社間もない時期から任される文化があり、制度としても上司との定期的な面談(1on1)やメンター制度、能動的な参加が求められる高度な人材育成トレーニングが充実するなど自己成長のための環境が整っています。
企業文化の面でも、外国籍の上司や同僚も多く、働き方や文化、考え方がそれぞれ異なっているので、自分にとっての当たり前が覆る場面に直面し、その結果「ブレークスルー」が生まれることがとても刺激的です。
P&Gでは国籍の違いも社歴も関係なく、常に相手を尊重し、ビジネスの目的に立ち返りながら、最善の選択を行うという文化があり、この多様性がP&Gの強みであると感じています。世界中に拠点のある企業なので、グローバルな環境でキャリアの幅を広げる機会にも恵まれている会社だと思います。